TOEICリスニングのためのディクテーションのやり方と効果



  • TOEICの学習法でディクテーションとかシャドーイングとかきいたことあるけど詳しく知らない
  • ディクテーションのメリットを知りたい
  • TOEICリスニングの学習方法の引き出しを増やしたい

という方に読んでほしい記事です。

ディクテーションとは

英語のトレーニングの一種で、「音声を聞きとってそれを一字一句書きとっていく」というものです。

ディクテーションの3つの効果

聞き取れる音を増やせる

通常、「読んでわかる英語」と「聞いてわかる英語」の間にはギャップがあります。

TOEICでは、文章の大まかな内容がわかれば正解できる問題が多いので、設問に正解したが、実は聞き取れていない音がいくつかあった、という場合が多いです。

そのような場合でも、聞き取りの精度については確認せず、答え合わせをして終わり、というのが通常だと思います。

しかし、聞き取れなかった部分が、ある問題では、正答・誤答に関わらない部分で正誤に影響しなかったとしても、別の問題では、それが聞き取れなかったことによって正誤に影響する、ということがあるかもしれません。

ディクテーションをすることで、このような聞き取れていない部分をなくしていくことができ、聞き取れる音を多くすることができます。

聞き取りにくい部分の例

  • リエゾン(音のつながり): make it → [meikit] 「メイキッ」
  • リエゾン(音のつながり): would you → [wudyu]「ウジュ」
  • リダクション(音の消失): can’t do → [can(t)do]「キャンドゥ」しばしば t の音が弱くなる

聞き取れなかった理由がわかる

音が聞き取れていない理由が細かくわかってそれに対策を打つことができるようになる、というのもメリットです。

聞き取れない理由の主なもの

  • 単語がわかっていない
  • 単語はわかるが発音がわかっていない
  • 単語のつながりによる音の変化(リエゾンやリダクション)がわかっていない
  • 文法がわかっていない
  • 音声が速すぎてついていけない

聞こえなくても理解できる力がつく

聞き取る練習をしているのに、聞こえなくても理解できる力がつく、というと矛盾しているように聞こえますね。

実はこれがディクテーションの重要な効果です。

ディクテーションをやっていくと、文章のなかで、弱く発音されるところや、聞こえなくなる音などがわかってきます。

そうすると、次にそのような文章に出会ったときに、聞こえにくい部分を自分で想像することが出来るようになるんです。

ディクテーションを取り入れるタイミング

ディクテーションは、やると結構時間がかかります。

いつもやるような時間の余裕はない、というのが現実ではないかと思いますので、以下の様なタイミングで取り入れるのが良いかと思います。

  • TOEICの問題文の内容や発音を確認したい学習初期
  • 各国別の発音を確認したいとき
  • リスニングのスコアが伸び悩んでいる状態を打開したいとき



ディクテーションの教材

使う教材は、TOEIC本番と最も近い公式問題集がベストで、他のTOEIC系問題集のリスニング部分でもOKです。

TOEIC系の問題集がない場合は、他の音声を使ってもいいですが、TOEICを受けようとしているのであれば、本番の音声と同じ人が吹き込んでいる公式問題集を用意するのがオススメです。

基本的に、Part1からPart4の順に使う

TOEICは、Part1からPart4にかけて文章量が多くなっていき、難しい単語が出てきやすくなり、文脈も複雑になっていく傾向がありますので、Par1、Part2、Part3、Part4と順に進めていきます。

TOEIC用ディクテーションのやり方:6つのステップ

TOEICリスニングのためのディクテーションのやり方と効果

1.ディクテーションをする文章を読む

初級者の方はこのステップからやるといいと思います。

慣れている方は 2.からでOKです。

2.スクリプト(文字起こし)を見ずに、音声を聞く

音声を1文聞きます。

3.(音声を止めて)聞いた音声を書きとる

聞いた音声を書き取ります。

4.あまり聞き取れない場合はもう一度音声を流して書き取る

一度聞いてわからない場合は、再度流して聞き取ります。

5.聞き取ったものとスクリプト(文字起こし)で答え合わせをする

ここで、書き取った内容とスクリプトを照らし合わせます。

6.聞き取れなかった理由を分析する

すでに挙げたように、下のような聞き取れない理由が考えられます。

  • 単語がわかっていない
  • 単語はわかるが発音がわかっていない
  • 単語のつながりによる音の変化(リエゾンやリダクション)がわかっていない
  • 文法がわかっていない
  • 音声が速すぎてついていけない

どれに当てはまっているのかを分析して後にあげるような対策を取ります。

ディクテーションをやる時の注意点

1.スペリングは気にしない

音声を聞き取ることが目的のトレーニングなので、スペリングミスは気にしないようにして進めてください。

2.100%わからなくても進める

そもそも音がつながったり消えたりして、100%音として捉えるのが難しいというのが英語のリスニングです。

少々聞こえていないところがあっても、だいたい聞き取れればOKだと思って進めましょう。

聞き取れない理由別の勉強法

聞き取れなかったものについて適切に勉強することでリスニング力が向上します。以下のように対応します。

単語がわかっていない

その単語の意味を調べます。

その単語が含まれるテキストの文章と一緒に覚えるようにします。

もしTOEIC用の単語帳があれば、その単語帳の索引で検索して、単語の意味と例文を確認します。

TOEIC用の単語帳としては、TOEICで出る単語をTOEICで出るフレーズの中で学べる金のフレーズをおススメします。

単語はわかるが発音がわかっていない

音声を聞きなおして、発音を確認します。

辞書や単語帳で発音記号を確認して理解できる方もいると思いますが、音のつながりや消失、話者の強弱のつけ方によって発音記号とは聞こえ方が変わっている場合もありますので実際の音声を確認する方がいいです。

単語のつながりによる音の変化がわかっていない

スクリプトと音を照らし合わせながら、音がつながっている部分(リエゾン)や消えている部分(リダクション)を確認する。

文法がわかっていない

音声で使われている単語がわかっているのに、読んでもわからない、聞いてもわからない、という場合は、文法がわかっていない、という可能性があります。

文法の教科書などで確認するようにしましょう。

音声が速すぎてついていけない

再生する速度を75%-80%程度に下げます。これくらいの速度にするとかなり遅くて聞き取りやすくなります。

学習時間が短すぎる

もう一つ聞き取れない場合に考えられる理由は、リスニング学習に費やしている時間が短すぎる、ということもあり得ます。

日本人が普通の生活をしていれば、日常はほとんど日本語に囲まれた生活をしていて、いわば、脳が日本語を処理するモードに入ったような状態にあります。

英語を聞いて内容を理解する、という時間を増やすことで、脳を英語処理モードに切り替えることで聞き取りの力が向上してきますので、学習時間の確保にも気を配ってください。

まとめ

ディクテーションもシャドーイングも、やろうとすると手間がかかるトレーニングなのですが、効果を理解した上で、きちんと手順を踏んで行えば、大きな効果が得られるものです。

必要に応じて活用してTOEICリスニングのスコア向上に役立ててください。

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