TOEIC Part4 (説明文問題) 出題内容と解き方のコツ

TOEIC Part4(リスニング)は、説明文問題です。

出題内容

  • 出題は30問(3問×10セット)
  • 設問は一つの対話に対して3
  • 1人のスピーカーによる説明の読み上げ + 3つの問題文の読み上げ → 選択肢を選ぶ という流れ
  • 問題用紙には読み上げられる問題文と、その選択肢(A)(B)(C)(D)が印刷されている
  • 問題間の間隔は約7秒
  • 話の流れが解れば答えられる問題と、いつ・どこで、など特定の情報を聞き取っていないと答えられない問題がある(約5-10%)
  • 問題文・選択肢の要点を把握する読解力の向上が重要

Part4に出題される場面と問題には頻出のパターンがある

Part4で扱われる内容には、Announcement(アナウンス)、Telephone message(電話録音)、Speech(スピーチ)など、典型的なパターンがあり、ストーリーの展開・問われる内容にもある程度パターンがあります。

そのため、公式問題集に出てくるPart4の出題場面、ストーリー展開、設問で問われることに慣れておくことが重要になります。

頻出の場面と場面ごとの頻出問題

出題場面 出題率 頻出問題

電話

(客へ、同僚へ、業者へ)

30% 依頼内容・指示内容を問う問題 28%
客への説明 15% 説明が行われている場所を問う問題 22%
従業員への説明 13% 説明の目的を問う問題 27%
報道 15% ゲストが呼ばれ、その紹介に関する問題 22%
宣伝 10% 宣伝物の情報・セールスポイント・特別なオファーに関する問題 83%
会議の一部 10%  
スピーチ 5%  
商品のインストラクション(使い方) 3% 使用法に関する指示 67%

出題場面に関わらず頻出の問題

上記の場面に関わらず、出題が多いのは以下の問題です。

これらの内容を聞き取る準備は常にしておいた方がいいでしょう。

出題内容 出題率

話者・聞き手が誰か
話の目的
説明の場所
話が行われているイベントの目的 など基本的な内容

25%
話者からの依頼やすすめ 21%
これから起きること 13%

話者(聞き手)が誰か、話の目的など、基本的内容を問う問題(1問目に多く難易度低)(25%)

このパターンの問題は、話の内容の最も基本的な内容がわかれば解答できるものです。

難易度が低い問題ですので、この内容が1問目に出てきた場合には、この問題の選択肢を読まないで、他の2問の問題文と選択肢を先読みすることに時間をかけます。

難易度が低いのでできるだけ正解したい問題です。ただ、出題場面の会話を聞いたことがないと、何の話か見当がつかない、というケースもあります。解らない場合でも他の2問で正答できるように少しでも話の内容を聞き取るように集中します。

話の基本的な内容を問う設問の例:

スピーカーや聞き手が誰かを問う設問。

  • Who most likely is the audience?(誰が聞き手だと思われますか?)
  • Who most likely is the speaker?(誰が話し手だと思われますか?)
  • What kind of service does the speaker provide?(話し手が提供するサービスは何ですか?)
  • What section does the speaker work?(話し手はどのセクションで働いていますか?)
  • Who is Daniel Chan? (Daniel Chanは誰ですか?〔選択肢から職業を選ぶ問題〕)

話の目的を問う設問。

  • What is the purpose of this announcement?(このアナウンスの目的は何ですか?)
  • What is the purpose of the speech?(このスピーチの目的は何ですか?)
  • What is the purpose of this call?(この電話の目的は何ですか?)
  • Why is the person calling?(なぜこの人は電話していますか?)
  • What is the annoucement mainly about? (このアナウンスは何についてですか?)

これらの設問は、「announcement」「speech」「call」という単語から、この問題がアナウンス、スピーチ、電話を扱ったものであることが予測できます。それを頭に入れて他の設問を読んだり、音声を聴くことで、より正解しやすくなります。

この話が行われている場所を問う設問。

  • Where does the speaker most likely work?(話し手はどこで働いていると思われますか?)
  • Where most likely is the talk taking place?(この会話はどこで行われていますか?)

この問題が出てきた場合、話のざっくりとした大筋だけ理解しても解答できる場合が多いので、問題の先読みをする場合にはこれらはパスして、他の問題の内容を見ることに時間を使った方がよいです。

依頼内容を問う問題のパターン(21%)

Part4では、何か問題があって解決のために相手のアクションを求める、仕事の依頼をする、などの内容が多いため、自然と多くなる出題内容です。

依頼内容を問う設問の例:

What does the speaker ask the customer to do? (話者は顧客にどうするように求めていますか?)

What does the woman request? (女性は何を頼んでいますか?)

本文中では下のように多彩な言い回しで依頼しています。

問題を解き進めながら相手に依頼する際の表現を覚えていってください。

話の中に出てくる、相手に依頼する際の主な表現:

Please…
I would like you to…
Could you…
I invite you to…
I suggest…

これから起きることを問う問題のパターン(13%)

TOEIC Part4の頻出のパターンに、話の最後の方で「明日、担当者から連絡がいきます。」「この件は、来週webサイトで発表されます。」というように、後に発生するイベントを伝える、というものがあります。

これから起きることを問う設問の例:

What does the woman say she will do? (女性は何をするつもりだと言っていますか?)

What is the speaker planning to do next morning? (話者は明日の朝何をすると言っていますか?)

ポイント

話の概略や、話の真ん中あたりにある内容を理解していても、最後に付け足し的に出てきたり、それまでの展開と異なる内容が出てくる(ButやHoweverなどの接続しの後に話されることがある)この最後の部分に関する設問は、最後まで音声を聞き取っていないと正答できない場合が多いですので注意してください。聴き取りの持久力、わからない部分があってもそこで止まらずに最後まで聞きとおす力が問われます。

あらすじを聞き取ることに集中する

話の場面、会話のあらすじ、問題になっていること、その解決策の提案、が大筋でわかればほとんどの問題に正解できます。

Part4はPart3と同様、選択肢のうち正答でないものは話の内容とかけ離れたものが多いからです。あらすじを聞き取ることでほとんど正解できるPartです。Part2では引っかけに気をつけながらリスニングする人もいると思いますが、Part3,4では聞こえたことで正誤を判断して素直に選択肢を選ぶモードで解答する方が正答率が高くなる傾向にあります。

そのため、分からない単語や表現があった場合でも、次に聞こえてくる音声をしっかり聞き取るようにして、話の流れについていくことが最重要です。

問題の先読みをする

先読みのタイミング

Part4の問題前の解説の時間と、問題間インターバル、設問間のインターバルを使って、事前に問題の選択肢に目を通します。

場合によっては、Part1,2の問題説明の時間も使って先読みをします。

先読みの2つのポイント

一般的に、選択肢まで全て先読みすることは時間的に難しいです。
そのため、先読みは以下の2点にポイントを絞って行います。

  • 問題文を読むことで話のあらすじを予想する、聞き取るべきポイントを頭に入れる。
  • 選択肢にはサッと目を通すだけにし、数字、日付などの細かい情報を聞き取る必要がある問題かを判断する。

選択肢まで読み込むのは、時間に余裕がある場合のみにするといいです。

先読みができなかった場合

Part3は話のあらすじを理解すれば解答できる問題がほとんどですので、先読みが中途半端にしかできなかったとしても、聞き取りがある程度できてあらすじがわかればほとんどの問題に正答可能です。

とにかく、音声を初めから聴き取ることに集中しましょう。

TOEICリスニングの基礎力を上げるトレーニング

Part4は、Part1やPart2に比べて問題の読み上げスピードについていけなくなりがちです。

長くて、これまで習ったことのない単語や言い回しが使われた話を聞くため、非常に疲れるパートです。

そのため、以下のようなTOEICリスニングのためのトレーニングをすることで、効果が得られると思います。

TOEICリスニングの語彙を増やす

意外に重要なのが、語彙を増やすということです。

単語が理解できないと、会話のあらすじがわからない、会話のあらすじがわからないとスムーズに解答できず時間が足りなくなる、時間が足りなくなって問題文を読むことがおろそかになり正答率が落ちる、という悪循環におちいりがちです。

リスニングでは聞き取りが重要なのはもちろんですが、理解している単語や表現が増えることで会話を理解する力が上がることを分かっておく必要があります。

語彙を増やせば会話の理解が簡単になり、正解率が上がると同時に、時間的に追い詰められることがなくなっていきます。

Part4対策の問題を解いたら、その文章に出てきた単語・表現を全て覚える、TOEIC用の単語集で語彙力を高める、というような形でどんどん覚えていってください。特に公式問題集に出てきた単語は全て覚えるべきです。

会話文・問題文の中で、わからない単語や表現が3つ以上ある場合、会話文のあらすじの理解やスムーズな回答にかなり影響がでます。

会話文の中でわからない単語・表現が1つ以下になるように語彙力をつけていくとよいです。

自分が会話文の中で、どの程度わからない単語があるかを把握するために、Part3の問題集を解いた際には、会話の書き起こし(Transcript)の中の分かっていなかった単語・表現にマークしてみてください。学習を続けていくうちに、これが徐々に少なくなっていくはずです。そして、その数がゼロに近づいたときに、だいぶ理解できるようになってくるはずです。

単語や表現の習得には、TOEIC用にカスタマイズされた単語集と、公式問題集を使うのが効率的です。

Part4の練習問題をたくさん解いて復習する

リスニングの中で、Part3,Part4は負荷が大きめのパートなので、たくさん問題をこなすのはつらいのですが、やり込めば慣れてくるという面があります。

たくさん解いて、語彙や出題パターンをたくさん覚えることで正解力を高め、スピードについていけるようにします。

リーディング力の向上

問題文と選択肢の読解の正確性と速さがないと、時間的に追い詰められてしまいます。
文章を正確に早く読むトレーニングをすることが重要になります。

若干早い速度で再生して聞き取る練習をする(特に本番前に行う高負荷トレーニング)

ある程度TOEICの問題形式に慣れてきて、聞き取りの力もついてきてからやれることに、高速再生練習があります。

スピードの調節ができるプレーヤーを使って、1.1-1.2倍速程度で再生して解答する練習をします。

これは、速い読み上げ速度で理解することと、短い時間で解答する練習になります。

本試験が近づいてきた時期に速度を速めて練習しておくと、リスニングに余裕をもって臨めます。

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