結論から言います。この本は、TOEICスコアを短期間で上げたい人にオススメです。
1-2か月の準備期間でのTOEIC対策には、模試2冊+文法問題集1冊+単語集1冊をコアの教材にして、必要に応じてリスニング対策やリーディング対策を加えるのが良いですが、文法問題集はこの一冊で決まりです。
現在のスコアが450-600点くらいで、TOEIC対策をあまりしてこなかった方であれば、公式問題集(模試)+でる1000問(文法問題集)+金のフレーズ(単語集)をやり込めば、2か月で+200点は堅いと思います。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
対象 | TOEIC450相当以上 |
問題数 | 1049問 |
著者 | TEX加藤 |
単語・文章の質 | ★★★★★(5/5) |
問題の質 | ★★★★☆(4/5) |
解説の質 | ★★★★★(5/5) |
おすすめ度 | ★★★★★(5/5) |
所要時間 | 一問2分で35時間
2時間/日で17.5日で一周 |
でる1000問が適しているのは、だいたい、大学受験で英語を学習した方や、高校英語の文法をある程度おさえている方です。
TOEIC対策本としての内容が充実していますので、「ちょっと難しいかな」と感じる人でも、この問題集で学習していった方が、他の文法問題集で始めるよりも最終的にはかなり効率よくスコアアップできると思います。
もくじ
でる1000問の内容と特長
収録単語・文章の質は最高レベル
著者のTEX加藤氏は、TOEICを毎回のように受験して蓄積したデータを元にして問題集を作成しています。
確認したところ、単語や問題文のTOEIC本番との一致度はかなり高いです。この点は、同著者によるTOEIC単語帳の名著、金のフレーズと同じです。
出題される文法項目ごとの解説+Part5模試13回分
本の最初のほうに、出題される文法項目(品詞問題、動詞問題など)の解説と練習問題があります。
これらの項目ごとに理解しながら学習を進めることができます。その後に模試13回分が収録されており、本番同様の問題数を時間を測って解く使い方ができます。
問題文はTOEIC本番よりも長め(20単語くらい。本番は平均15単語程度)で、問題レベルは本番と同等程度になっていますので、この問題集の30問を解くのにかかった時間よりも少ない時間で、本番のPart5を終えられる感覚です。
問題が本番より長めなのはプラスかマイナスか
問題の質を☆4評価にした理由は問題の長さです。
TOEIC本番のPart5の問題は平均約15単語で構成されています。しかし、この問題集では平均約20単語となっていて、本番に比べ長いです。
これは、本番同等の問題を求める人や、文法事項をテンポよく学習したい人にとってはマイナスですので、☆4としました。
ただ、問題の長さは、練習で負荷をかけておきたい人にはメリットになり得ます。
本番のPar5では、問題によっては問題文の長さが20単語を超えてきます。そのため、でる1000問でトレーニングしておけば、本番で長い問題が出ても苦にならない、という考え方ができます。
1049問と十分な問題数
Part5で80%以上正解し、かつ、10分程度以内で答えるためには、500問から1000問ほどの良問を、時間を測定しながら解いて練習することが必要です。
この問題集には十分な問題数があります。
解説は明快、全選択肢について解説あり
解説では、問題文がどのような構造の文章で、どういう語句が当てはまるのかが説明されています。
さらに良いのは、不正解の選択肢にも、例えば、これは品詞は合っているが、意味が合わないので不正解になる、というような解説があることです。
これがあると、一問で身につけられる文法知識が多くなり学習効率が飛躍的に上がります。
この点ができているTOEIC問題集はとても珍しいです。
付録が、短時間の復習と単語検索にかなり有効
1049問をランダムに並べ替えてコンパクトにまとめた付録の小冊子があり、これで短時間復習が可能です。
試験直前期に、それまでに学んだ大量の学習内容を短い時間で復習するのに最適な教材です。
その付録には索引がついており、重要な単語・表現から問題を瞬時に検索できるようになっています。
こうした教材の作りを見ると、受験者の時間効率に配慮して作ったのだな、ということをひしひしと感じて、感動すらします。
でる1000問の使い方
まずは各文法項目の学習をする
前半の項目ごとに学習できるパートで、一つ一つ確認しながら学習していきます。
ここでは、その項目がどのように出題されるのか、いくつかのパターンが示されていますので、それを確認します。
十分理解できない場合は文法の教科書等で確認する
この部分の説明は簡潔です。
文法知識がある人はすんなり理解できますが、知識が足りない場合は良くわからないこともあるはずです。
わからない場合は、文法の教科書などで確認するようにしてください。
文法事項の説明の部分では、多少時間がかかっても、わからない点は復習しながら、十分理解して進めることが大事です。
なぜなら、ここで学習したことが、Part6,7の文章の読解や、リスニングセクションの音声を理解する際にも活きてくるからです。
時間を測って模試を解く(正答数・時間を記録)
正答数とかかった時間を記録して、正答率の向上・時間の短縮ができているかをチェックします。
リーディングを全問解答ができるペースの目安は、30問を10分で(一問あたり20秒で)解くスピードです。
模試の13セットが終わるころには、10分以内で解けるスピードを目標にしてトレーニングします。
また、この問題集の内容を理解しながら進めれば、80%以上は正答できるようになるでしょう。
一冊終える所要時間は、一問2分で進めれば35時間です。このペースで進めると一日2時間・17.5日間で一周の計算です。時間を測って解答速度を上げるのと同時に、自分の学習ペース通りに進むようにしてください。
完全に理解していないものを復習する
一通り模試を終えたら、間違えた問題や、理解が十分でないものを復習します。
完全にモノにした問題は復習はせず、本番直前期の別冊付録を使った復習の時まで置いておく方が時間効率が良いです。
復習は、わからない問題がなくなるまで、何度も繰り返して行います。多くの人は、わからない問題がなくならず、試験前の時期まで、復習を繰り返すことになります。
復習の際も、解く時間を可能な限り短くする意識をもって解きます。
本番直前期に別冊の1049問で短時間復習をする
この問題集の使い方の大きなポイントの一つはこの別冊付録の使い方です。
本番直前期には、問題がコンパクトにまとめられた別冊を使って、時間を測りながら復習をします。
本番直前の復習では、学習開始時に比べて、かなり短時間で高い正答率が出るようになっているはずです。
1049問×約20単語=20000単語以上の特訓を終えれば、TOEICで出る語彙と文章形式の習得ができていることでしょう。大幅なスコアアップにつながるはずです。
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