- リスニングのスピード速すぎる…
- シャドーイングとかオーバーラッピングとか聞くけれど、役に立つんだろうか?
- シャドーイングってしゃべらないといけないの?
- TOEICの勉強で隙間時間を活用したい。
という方向けの記事です。
私はリスニングスコア上げるのには、公式問題集を使ったシャドーイングがおすすめです。しかも、声を出さなくてもできます。
私は、公式問題集を使った「声を出さないシャドーイング」をリスニング学習のメインにして、2ヶ月で325→490まで上げました。
問題集のリスニング問題と向き合っていたのは10日間くらいで、他はほとんど隙間時間を使ってシャドーイングしていました。隙間時間を効率的に使えるやり方としてもおすすめです。
もくじ
シャドーイングとは
こちらの動画 ↓ がとてもわかりやすいシャドーイングの見本です。元マッキンゼーで大学で教鞭も取られている高杉尚孝(たかすぎ ひさたか)先生の動画です。
自分: In 21st century, value is a new piece of strategy.
聴き取った音声を、少し遅れて自分の声で再現する、というものです。
トレーニングの中では、すでに知っている文章を聞くことがありますが、シャドーイングの最終的なゴールは、初めて聞く音声を自分で再現しながら聞く、ということです。
動画を見ると、このレベルはとてもムリだ…と思われるかもしれませんが、シャドーイングの練習には何段階かのステップがあって、少しずつ段階を上げながらトレーニングできますので大丈夫です。
シャドーイングの2つのタイプ
シャドーイングの方法には2つのタイプがあって、それを理解しておくことがTOEICスコアアップにはとても重要です。
そのタイプとは、
1.聞いた音を反復するシャドーイング(プロソディック シャドーイング)
2.聞いたことの意味をイメージするシャドーイング(コンテンツ シャドーイング)
TOEICでは、スピーキングはなくリスニングがあるだけで、自分が音を再現することが直接スコアにはつながりません。大事なのは、聞いたことの意味を理解していることです。
また、TOEICリスニングでは、音声は一度しか読み上げられず、メモは禁止されていますから、聞いたことを意味のある情報として頭の中にとどめることが重要になります。
例えば、Part3の会話問題では、どのような場所で、どんな人たちが、何について話しているかを、聞いた内容からイメージして頭の中にとどめておき、選択肢から正しいものを選択する、ということが求められます。
ですから、TOEICリスニングでスコアを上げるためには、上の2つのうち、コンテンツシャドーイングができることが重要になります。
声を出さないシャドーイングで隙間時間を有効活用する
聞いたことの意味をイメージするコンテンツシャドーイングがTOEICでは大事です。
それを、心の中で音声を追いかけながら、意味を頭にイメージする、というやり方で実現します。これが「声を出さないシャドーイング」です。
声を出さないでシャドーイングができると、移動時間などでもシャドーイングできるようになり、より効率的に時間を使えるようになります。
シャドーイング、オーバーラッピング、リピーティングの違い
英語リスニングの学習法として、良く出てくるこれら3つの学習法の違いを確認しておきましょう。
シャドーイングは先ほど見たように、音声を追いかけるようにして発音するものです。
オーバーラッピングとリピーティングについてもその内容を確認しておきましょう。
オーバーラッピング
シャドーイングのように追いかけるように言うのではなく、音声と同時に発音するやりかたです。
自分:In 21st century, value is a new piece of strategy.
事前に音声の内容を知っていた上で行うトレーニングです。シャドーイングは、最終的に、初めて聞く音声を自分で再現しながら聞く、ということを目指すわけですから、両者は根本的に違うものです。
シャドーイングが、聞く→聞いたものを記憶する→発声する・聞いたことをイメージするという情報処理を行うのに対して、オーバーラッピングは、話す内容を知っている→音声と同時に発声するというものになります。
聞いたものを記憶する、聞いたことをイメージする、というところが大きく違ってきます。TOEICで求められる能力を高めるには、シャドーイングの方が向いています。
リピーティング
リピーティングは以下のように、小さな部分に区切って繰り返り練習する方法です。3つの方法の中では一番取り組みやすいものなので、シャドーイングが難しい場合に、初めのトレーニングとして取り入れるのが望ましいです。
練習する文章:Anna started her new work from the last week.
音声:Anna started her new work (音声止める) (再生する) from the last week.
自分: Anna started her new work from the last week.
シャドーイングの効果
シャドーイングでリスニング力が上がるのは、以下の様な効果があるからです。
内容を覚えておく力が身につく
聞いたことの意味をイメージする、コンテンツシャドーイングを行えるようになることで、話の内容を覚えておく力が高まり、それが各設問への正答率を上げます。
聞き取れていない部分を知ることができる
普段あまり意識しないことなのですが、目で見て読んで理解できていても、耳で聞いた場合には聞き取れていない、ということがあります。
900点台を取るようなTOEIC上級者でも、音を完全に聞き取っていないケースは多々あるのです。TOEICは完全に聞き取らなくても正解できる問題がほとんどなので、聞き取れていないことを見逃してそのままにしている人も少なくありません。
英語はなぜ聞き取れないのでしょうか?
聞き取れない理由には以下のようなものがあります。
- そもそも単語を知らない
- 単語は知っているが音声と一致していない
- 音のつながり(リエゾン)や消失(リダクション)で、聞き取れなくなっている
リエゾンとは、
talk about → [talka bau(t)]「トーカバウ」
tell us → [tellus]「テラス」
のように音が繋がって変化するパターンです。文字では「トーク アバウト」「テル アス」と理解していると聞き取れないことがあります。
リダクションとは、
exactly → [exac’ly]「イグザクリ」
twenty → [twen’y]「トゥウェニ」
のように音が消えるパターンです。
シャドーイングのトレーニングの中では、聞き取れていないものを把握して、トランスクリプト(書き起こし)と音を一致させる作業をします。
そうすることで、文字と音の情報を一致させて、聴き取れない音を減らしていくことができるのです。
音声を再現する力・スピーキング力が上がる
TOEIC L&Rテストでは直接的に測られることはありませんが、音声を再現する力が上がり、スピーキング力が向上します。
また、これは多くのTOEIC講師が言っていることですが、フレーズや単語の音声を再現することができる人は、その音を聞いたときに理解する能力が高いのです。
シャドーイングは、音声を再現するのですが、リスニング力を高めることに高い効果が得られるトレーニングだと言えます。
シャドーイングのやり方
シャドーイングができる環境を見つける
自分の部屋などのしゃべれる環境
他にも、ジョギング中や、家事中なども、場合によっては声を出しながらやることができます。
移動中など音声を聞ける環境
通勤通学中など、スマホやウォークマンなどに音声を入れて聞くことができれば声を出さないでシャドーイングができます。
この後説明するシャドーイングのやり方の中で、声を出してやる部分を、声は出さないけれど頭の中で声を出す感じで追いかけるようにする方法でトレーニングします。可能なら、ウォークマンなどのプレーヤーは、変速やクイックバック(3秒程度の小巻き戻し)があるものが使いやすいです。
使う教材
公式問題集を使います。
これが本番にもっとも近い教材なので、とにかく短期間でTOEICスコアを上げたいというのであれば、公式問題集を使ってやるようにした方がいいです。
公式TOEIC Listening & Reading問題集(5)
公式TOEIC Listening & Reading問題集(4)
公式TOEIC Listening & Reading問題集(3)
手順
具体的な手順は以下の様な進め方です。初級、中級、上級、最上級とあります。自分のレベルに合わせて、ちょうど良いやり方から始めてください。
TOEIC本番で求められる力は最上級のものになります。それを目指して一段ずつステップアップしていくことを目指します。
声を出さない場合は、心の中で音声を追いかける形でシャドーイングしてください。それでも効果はあります。
2.音声を聞く(速いと感じる場合は、ゆっくりな速度で再生して聞く)
3.スクリプトを見ながらシャドーイングする
4.スクリプトを見ないでシャドーイングする
5.スクリプトと解説を読み、わからなかった単語やフレーズを確認する
2.スクリプトを見ながらシャドーイングする
3.スクリプトを見ないでシャドーイングする
4.スクリプトと解説を読み、わからなかった単語やフレーズを確認する
2.スクリプトと解説を読み、単語やフレーズを確認する
2.スクリプトと解説を読み、単語やフレーズを確認する
初級のやり方でも、はじめは、なかなか難しくてできないこともあると思います。その場合は以下のようにしてください。
難しい場合の対処法
1.リピーティングから行う
先ほど説明したリピーティングに取り組んで、慣れてきたらシャドーイングに進みます。
2.音声の速度を0.75~0.8倍速程度に落とす
再生速度を0.75程度に落とすとだいぶ聞き取りやすくなります。トレーニングしながら慣れてきたら、徐々にスピードを上げていきます。
3.1文からトレーニングを始めて、徐々にフルの問題文に近づけていく
TOEICの場合、Part1~Part4にかけて徐々に文章が長くなっていくので、Part順にやっていくと自然に文章が長くなっていってやりやすいです。
Part3,4の文章が長すぎると感じるときは、1文ずつ区切って進めるなどして負担にならないようにします。
音声は徐々に速くしていく(0.75倍→1倍→1.25倍)
個人のレベルにもよりますが、シャドーイングができるようになってきたら、音声を徐々に速くしていきます。
本番前に1.25倍程度まで対応できるようにしておくと、本番のリスニングが「止まって見える」くらいとても楽になるのでオススメです。
はじめから完璧にできなくてよい
TOEICの勉強全体にも通じることなのですが、完ぺきに出来ないと進まない、というふうにすると果てしなく時間がかかってしまい、その苦痛から挫折につながりやすいです。
ですから、半分くらいの出来でも次に進めていく、そのうち出来るようになってくるさ、という感覚で進めてください。
正しいやり方で、ある程度以上の密度で、継続してやっていけば、スコアも上がります。それがTOEICというテストです。
まとめ
TOEICのリスニングは聞いた内容を頭にとどめておくことを求めるテストなので、コンテンツシャドーイングを意識して練習することでスコアアップにつなげやすいです。
声出しなしでできますし、移動時間にも導入しやすいので、まずは気軽にやってみるのがいいのではないかと思います。
ぜひシャドーイングを有効に活用してTOEICスコアを伸ばしてください。
公式TOEIC Listening & Reading問題集(5)
公式TOEIC Listening & Reading問題集(4)
公式TOEIC Listening & Reading問題集(3)
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