TOEIC Part2(リスニング)は、応答問題です。
出題内容
- 出題は25問
- 音声が読み上げられる。その音声の後に、A,B,Cの3つの選択肢が読み上げられる。3つのうちから、初めに読み上げられた音声への応答として適切な選択肢を選ぶ。
- 問題間の間隔は約5秒
- 疑問詞疑問文45%、be動詞・助動詞の疑問文20%、平叙文が10%で全問題の約3/4を占める
- 特に文頭などのキーとなる単語を聞き逃すと正答できない場合が多い
- 疑問詞、主語、動詞など必要な情報が中心のシンプルな文章
- 読み上げられる文章は口語的で、be動詞・助動詞などの省略も多い
もくじ
対策のポイント
出題数が多い疑問詞疑問文(5W1Hを使った疑問文)とbe動詞・助動詞の疑問文から対策を始める
問題で読まれる文章の種類は以下の通り
疑問詞疑問文 | 12問程度 |
Yes,No疑問文 | 6問程度 |
平叙文 | 4問程度 |
付加疑問文 | 2問程度 |
選択疑問文(or疑問文) | 1問程度 |
合計 | 25問 |
問題のタイプとして、選択疑問文とYes,No疑問文が多いですので、それらから対策を始めるのが効率的です。
文頭を聞き逃さないことが重要
Part2では、疑問詞・主語・助動詞など、文頭には聞き逃すと文脈を理解できなくなる単語が配置されている場合がほとんどです。そのため、一つ目の単語から聞き逃さないことが重要です。
疑問詞を聞き逃して間違えてしまう例を挙げます。
When does the plane to Hongkong leave?
(A) It’s 30 minutes behind the schedule.〔正解〕
(B) Yes, I’ve been there.
(C) From terminal A.
「香港行きの飛行機はいつ出発しますか?」に対して、正答は「それは30分遅れています。」です。
正答するためには、Whenの聞き取りが不可欠です。
「When」と問われていることが分かれば、仮に全文を聞き取れていなかったとしても、(A)と(C)が外れていそうだというのはわかります。
逆に、「When」を聞き取れていないと、問題文が「Where does the plane to Hongkong leave?」であった場合に正答となる(C)を選んでしまう可能性が出てきます。
このように、たった一語の聞き取りが得点できるかに直結するのがPart2です。
選択に時間を掛けすぎない
Part2で多発しがちなミスに、前の問題の選択肢で迷っているうちに次の問題の音声が始まってしまい、初めの単語を聞き逃してしまう、というものがあります。
解答の選択に迷った場合には、時間をかけずにマークして次の準備をすることが重要です。
疑問詞・助動詞・主語・動詞・目的語・場所などのポイントを聞き取る
ポイントになる単語を聞き取れていれば、一部聴き取れなかった場合でも正答できる場合があります。
先の例題をもう一度見て見ます。問題文の太字に注目してください。
When does the plane to Hongkong leave? (香港への飛行機はいつ出発しますか?)
(A) It’s 30 minutes behind the schedule.〔正解〕(その飛行機は30分遅れになっています。)
(B) Yes, I’ve been there.(はい。私はそこに行ったことがあります。)
(C) From terminal A.(ターミナルAからです。)
When + plane、あるいは、When + leaveのキーワードが聞き取れていれば概ね正解できます。キーになる単語を聞き取り、問題文の大まかな意味を把握することが大切です。
この際、先頭の単語がキーになっているケースが多いので、やはり先頭の単語から聞き取る意識を持つ必要があるのです。
疑問詞疑問文対策のポイント
疑問詞の種類と意味をおさえる
疑問詞の種類と、その意味を確認しておきましょう。
意味が分かれば、何を問う発言なのかがわかり、相手の発言の意味に沿った解答を選びやすくなります。
代表的疑問詞の一覧とそれがどのように使われるか
How | 方法や状態を問う |
---|---|
Where | 場所を問う |
When | いつかを問う |
Who | 誰かを問う |
Why | 理由を問う |
How much | 数量を問う |
How long | モノや時間の長さを問う |
How many | 多さを問う |
How about |
何かを提案する 例:How about organizing an employee picnic this year? 「今年は、従業員でピクニックに行くのはどうでしょうか?」 |
Why don’t I ~ | 私が~しましょうか? |
Why don’t you ~ | ~してはいかがでしょうか? |
YES,NO疑問文対策のポイント
YES,NO疑問文は、Is・・・?、Does・・・?、Have・・・?など、YESかNOで答えられる疑問文です。
YES/NOで答えられる疑問文でありながら、正答選択肢の傾向としてはYES/NOで始まらないものが正答である場合がおおいため、YES/NO以外の正答パターンを頭に入れておくとよいでしょう。
以下は頻出の開始パターンです。
頻出の開始パターン
Do (Did) …? | …しますか?(しましたか?) |
---|---|
Is (Was) …? | …ですか?(でしたか?) |
Will (Would) you …? |
…してくれますか?(…してくださいますか?) |
Shall we (I) …? | …しましょうか? |
次に解答のパターンでよく出るものです。
頻出の解答パターン
YESではなくSureが使われるパターン
Will you create a set of chart for the meeting? (ミーティング用のグラフを作ってくれますか?)
(正解選択肢) Sure, no problem.(もちろん、大丈夫ですよ。)
YESではなくYeahが使われるパターン
Will you reserve a room for the guest?(ゲスト用の部屋を予約してくれますか?)
(正解選択肢) Yeah, I’ll do that now.(はい、今やります。)
YES,NOではない応答で、文脈を分かっていて初めて正解できる選択肢が正解のパターン
Did the company accept the offer?(その会社はそのオファーを受けましたか?)
(A) It will be annouced this weekend.〔正解〕 (今週末に発表されます。(いいえ結果はまだ伝えられていません。という内容が隠れています。))
(B) Yes, I did. (はい。私が受けました。) 〔Yesから始まるひっかけ。主語違い。〕
(C) She will accept it.(彼女が受けるでしょう。)
Didから始まっているので、YES/NOで答えられる形です。中高受験などではYES/NOで始まる解答が多いため、多くの受験者はYES/NOを待つ態勢になっていますが、文脈を分かっていれば答えられるような、YES/NOから始まらない解答パターンがよく使われます。
この問題では、「(まだ結果は伝えられていなくて)今週末に発表されます。」という意味の応答が正解になります。
YES/NO疑問文に対してYES/NOで答えないやり取りは、実際のビジネスや生活場面では多くあります。文脈の理解力を高めて正答に導くよう準備することがTOEICだけでなく将来にも役立ちます。
平叙文対策は、平叙文が使われるパターンを押さえること
平叙文とは、情報や意志を伝える英文の形態です。疑問詞や疑問符がついていません。
実際のビジネス、海外旅行などの場面では、相手に何らかのアクションやアドバイスを求める場合に、平叙文で相手に情報や意志を伝える、という場面が多くあります。そのため、TOEICでも出題が多いです。
相手に情報を伝え、何らかの反応を得るために使われる平叙文
問題文 The accounting team and I will go out for dinner tonight. (会計部門と私で今夜食事に行くんですよ。)
正解応答文 That sounds good. (いいね。)
正解応答文 Can I join? (私も行っていいかな。)
問題文 I just received the sales report from New York Office. (ニューヨークオフィスから売上レポートを受け取りました。)
正解応答文 Can I see it? (見せてくれる?)
正解の応答文は、聞いたことに対する感想や提案、自分がどうしたいかなどが考えられます。
相手にアドバイスを求める意図があって使われる平叙文
問題文 I don’t know which supplier to choose. (どのサプライヤーを選べばいいか分かりません。)
正解応答文 Let me see their proposal. (サプライヤーからの見積りを見せてもらえますか?)
上記のような形で、アドバイス、助け、同意、より詳しい情報などを求めて平叙文で話しかけることは多々あります。
私も海外生活やビジネスの経験が長くなればなるほど、平叙文で話しかけることが多くなってきました。
学校の英語では、聞きたいことや相手にしてほしいことがある場合には、疑問文で聞くように習うのですが、実際のコミュニケーション場面では平叙文でやり取りする場合が結構あります。
疑問文を使うよりも平叙文を使う方が、頭の中で語順を変えたりする手間がありませんので、日本語が母語の人にとっては、割と楽にコミュニケーションが取れる話し方だとも思います。Part2の学習で平叙文が出てきたら、「こんな使い方があるんだなー。」と頭に入れて、コミュニケーションの幅を広げていってください。
問題文の音声とセリフの確認は必須
Part2では、be動詞・助動詞の省略、各国のアクセントでの会話が含まれています。
そのため、聞こえている音声を文章にしたらどうなるか(逆に、文章がどのような音になるか)の確認は丁寧に行う必要があります。その際には、自分で声に出して音を自分のものにしていくのが良いと思います。(多くの研究者・指導者が、自分が発音できない音を聞き取るのは難しい、と言っています。)
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